自転車で坂道を登るのは、とてもきつかった。
なんだか、いつまでも上りが続くように感じてしまっていた。
短いけれど急な上り坂は、壁に向かっているようで、見ただけでギブアップ。
だらだらと登る長い上り坂は、憂鬱な道の象徴のよう。
少し前の話だが、以前から、自宅から20km程度のところにあるダム湖の周回道路に行ってみたいと思っていた。ダム湖ゆえに、そこに至るには、結構きつい上り坂があるのであきらめていた。
ちょっとしたことで、いくらきつくてもその坂道は全長500m程度であることに気がついた。普通に歩いても数分で通過できる距離だと考えると、気が楽になって登ってみようかと思えた。
全体で高低差が50m、最後の200mで30mを登るこの坂はやはりきつくて、かなり暖かくなった4月の日差しの中で、サングラスの内側が曇るほどの汗をかきながら登りきると、そこには青いダム湖が広がっていて、その達成感は近年にないものだった。この日から、急な坂は壁ではなくなった。
この道は、その後、何度も登ったが、なぜか楽に登れることも、とてもきつくて挫折しそうになることもあった。坂はいつも同じでも、自分のコンディションはいつも同じとは限らない。昨日できたことも、今日はできないことも有る。
自転車は人生のよう。
この坂道の向こうには、さらに制覇したい坂が有った。
2010年1月23日土曜日
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